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(2016)
山の湯は越後湯沢温泉にある共同浴場。外観は山の湯の名称らしく、素朴な山小屋のようなロッジ調。文豪川端康成が愛した、本物の湯沢温泉を堪能できる唯一の外湯(共同浴場)である。
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2016年も無事明けた。今シーズンのゲレンデ始めは「かぐらスキー場」から! そして温泉始めは「山の湯」から!…ではなかったが、何はともあれ、今年も「やまんぽちゃ」にやってきた!
今シーズンは希に見る暖冬(このあと寒波に見舞われるが、この時点まで確かに暖冬)ということで、山の湯から見渡す街の様子はまるで3月下旬のように建物や道路がくっきり。霙のためにモヤっているが、いつもと違う光景に少々戸惑いを覚える。
悪天候のために苗場を断念。温泉まったり作戦に切り替えてみたが、山の湯の人気の高さを改めて思い知る。月曜日の午前中っスよ…なんでこんなにいっぱいなの? と、思わず口にでてしまうほど、駐車場は混みあっている。
地元の人か、もしくはオイラみたいなスキー脱走兵か…どちらにしても違いの分かる人々が集っているに違いない!(褒めているのか、攻撃しているのかどっちやねん!)
地元の人々は親しみも込めて「やまんぽちゃ」と呼ぶこの山の湯は、文豪、川端康成が雪国執筆の時に入った温泉と同じ源泉を引湯する。隣接する温泉宿の「高半」「御湯宿 中屋」「湯居間蔵」と同様、昔ながらの「湯元源泉」を楽しめるのは共同浴場ではここ「山の湯」だけ。
一度入浴したら、この温泉の素晴らしさを忘れることはできない。実際、私は湯沢・南魚沼あたりでスノーボードをした後は必ずといっていいほど利用する行きつけ湯なのだ。
湯沢には湯めぐりのできる5つの共同浴場(山の湯・岩の湯・駒子の湯・街道の湯・宿場の湯)があるが、山の湯のみシャワーがなく、また駐車場も狭い。地元優先というか、温泉の品質を守るためにあえて利便化しなかったような印象を受ける。
それだけに、温泉は秀逸。湯口にある2本のパイプから注がれる贅沢な源泉100%かけ流しの湯は、玉子のような硫黄の臭いと滑らかな肌触り。湯船の縁からは溢れ出る湯が紋様のように排湯されていく。温泉ファンにとっては垂涎の光景がここにある。
ん? 2本のパイプ? もしかして源泉って2つあるの?
以前からパイプが2本あることは知っていたが、漠然と同じ源泉であろうと思っていた。一方は湯量が多く、もう一方は湯量は少ないが、かなり熱い。明らかに温度が異なる。やはり別源泉なのか?
これは確認せずにはいられない。湯上がり後、受付にいる管理人さんにそのことを聞いてみると…「源泉は2つありますね」とあっさり。
通常は「湯元源泉」だけなのだが、冬季は温度の高い別源泉(約57℃ほど)を加え、温度管理をしているらしい。ということは、夏と冬では温泉の感触が微妙に異なる…むむっ夏場の温泉も体験してみたい。
ちなみにこの別源泉、近くで廃業した施設の源泉とのことで、山の湯ではカランの湯にも使われているとのこと。
あっそうなのね…と、疑問はあっけなく解消。「分からんことがあったら聞いてみい。これ営業の基本やで~」遠い昔、社会人一年生の時に先輩から教わった営業の基本、イロハの「イ」を思い出す。
ネット社会の昨今、分からないことは検索すればいい…と思い込んでいたが、「素直に聞く」ことの重要さをちょっと思い出した。
建物前にある駐車場は10台ほどのスペースしかなく、狭く急なスロープを登らなくてはならない。融雪用のスプリンクラーが作動しているので、大雪でも上がることは可能だが、車の運転に自信がない方はムリは禁物。
登板時はできるだけ左に寄せで、大回りで右ハンドルを切らないと右後輪が空回りしてしまう。車体が大きい車などは坂の下にある臨時駐車場を利用する方が無難だろう。
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その後、2月初旬に再訪。先月はまるで春の光景だったが、寒波が訪れ、ようやく冬の光景になった感じ。それでも本来の積雪量に比べるとかなり少ないが…
それにしても、相変わらず山の湯の人気は高い。ただ利用する層は相変わらず、地元の方や熟年スキーヤーの人が多いようだ。
確かにシャワーや露天風呂はないが、利便さと露天風呂の有無だけで判断するのはもったいない。湯沢で本物の温泉を愉しめる外湯はここだけ。まだ利用したことがない方は、ぜひいちど!
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2015~2016年シーズンは「かぐらスキー場」で始まり、「かぐらスキー場」で終わったが、シーズン締めの湯は「山の湯」しか考えられない!(貝掛温泉も考えたけど…これはオフレコ…オフレコになっとらんわ!)
ということで、残雪わずかの「かぐらスキー場」を昼すぎに切り上げ、越後湯沢駅前の「中野屋」で山菜天ざるを喰らい、やってきましたがな「やまんぽちゃ」(今シーズン5回目)
一面冬景色だった2月上旬とは一転、気温20℃春の陽光が降り注ぐ光景はまさに春そのもの。辺りには残雪もなく、木々や路地には一面淡い若葉が生い茂っている。
真っ白、またはモノトーンの冬景色しか見たことがなかった山の湯の佇まいも、心なしか明るい表情。その光景はちょっと新鮮。うむ、グリーンシーズンの雰囲気もいいもんだ。
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昼と夕方の間の時間なので利用者も疎ら。数分だけだが、初めて独泉することができたことは嬉しい限り。また来シーズンか…でもたまには他の季節、できれば初夏の頃、または新米が出回る秋頃にも訪れてみたい。
これにてシーズン終了! 新潟県湯沢町。いや~サイコーっす!
(2018.3 更新)
住所 | 新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢930 | TEL | 025-784-2246 |
URL | なし | 営業時間 | 6:00~22:00 [400円] |
駐車場 | あり | 定休日 | 毎週火曜日 (祝日・年末年始・お盆期間は後日振替) |
主な泉質 | 単純硫黄泉 | 温泉利用 | 源泉100%かけ流し |
浴場設備 | 内風呂 | 塩素消毒 | 塩素消毒なし |