くつろぎの湯は道の駅「六合」の敷地内にある日帰り温泉。元六合村高齢者センターを温泉施設に改修。公共施設らしい堅さはあるが、湯質は秀逸。隠れた名湯といえる。
※ 下記 マークをクリックで、画像テキストを表示
草津温泉を出発し、尻焼温泉に立ち寄った後、目指すは暮坂峠を越えた先にある沢渡温泉! と車を走らせていたその時、不意に道の駅が見えた。こんなところにも道の駅があるんだ…と思って立ち寄ったのが道の駅「六合」だった。
するとビックリ、道の駅になんと温泉宿(花まめ)があるではないか。しかも日帰り温泉の看板まであるとは…こ、これは…もう立ち寄るしかない!
しかし「六合」と書いて「くに」と発音するとは…なんて難しいんだ。おそらくほとんどの人が読めないだろう。かつてこの辺りは「六合村」といったが、隣接する中之条町と合併して、現在は中之条町六合地区という。
そんな六合地区には尻焼・花敷・京塚・応徳・赤岩の温泉が点在する。
尻焼温泉と花敷温泉は知っていたが、何気なく立ち寄った道の駅「六合」に応徳温泉があるとは、これも温泉の神の思し召しに違いない!(温泉神って誰だ?)
気になって調べてみたら、なんと神様はいた。日本書紀や古事記に登場する神話だが、大己貴神(オオナムチ 別名大国主)・少彦名神(スクナビコナ)の二神が温泉の神様だそうだ。
閑話休題。そろそろ本筋に戻らなければ…
温泉施設の外観は情緒漂う木造二階建て。養蚕農家の建物を改築したものだそうだ。なるほど道理でいい塩梅のレトロ感が漂うわけだ。
受付は宿と日帰り温泉ともに共通で、帳場で料金を支払うが、どうやら日帰り温泉「くつろぎの湯」は奥に見える暖簾の向こうにあるらしい。すると暖簾の先にはトビラがあり、下に続く外階段がある。
ん、別棟?
そう、「くつろぎの湯」は別棟にある。正確には、かつて六合村高齢者センターだった施設を日帰り温泉として利用しているのだ。そのため外観はどこか公民館や診療所っぽい雰囲気がある。
ちなみに、入口には「センター案内板」という案内表示があり、センターの前部分が白塗りで消されているが、下記にある施設名にはしっかりと「六合村高齢者センター」と書いてある。まったく仕事が中途半端(苦笑)
養蚕農家と高齢者センター、施設情緒の落差が激しいが、温泉は同じと気を取り直し、温泉施設とは思えない廊下を進むと「くつろぎの湯」と書かれた暖簾と無料ロッカーが見えてきた。
貴重品をロッカーに仕舞い、脱衣所に進むとほんのり硫黄の香りが鼻腔に抜ける。ほう、硫黄泉なのか。ちょっとした期待が膨らむ。
浴場は防水塗装した木板を壁に張ってはいるが、湯船と床はおそらく以前のままで。かつて公共施設だった雰囲気を残すタイル基調の実用的な設え。清掃状態はいいが、ちょっと拍子抜け…しそうになったが、お湯の秀逸さに驚きを隠せない。
な、なんじゃこりゃ~
松田優作の有名な殉職シーン(古いわっ)ばりのリアクションで驚くほどに、ほのかに白濁した温泉が湛えられている。急いでシャワーで身体を流し、湯船に浸かると、なんと黒い湯の華が舞っているではないか。
お湯は加水も加温もない源泉100%かけ流し。硫黄の香り漂い、黒い湯の華が舞う弱白濁のにごり湯で、美肌効果も期待できる弱アルカリ性の優れもの!
いや、これは、まさに名湯。今まで知らなかったが、こんな温泉があるんだなあ。
温泉評価は星4つ半。これで施設に情緒があったら、星5つ評価をしてもいい。併設する温泉宿「花まめ」はどんな感じなんだろう。情緒ある佇まいが妙に気になる。料金もリーズナブルそうだし、機会があったら利用してみたい。
(2017.5 更新)
住所 | 群馬県吾妻郡中之条町大字小雨21-1 | TEL | 0279-95-3241 |
URL | http://www.nakanojo-kanko.jp/onsen/oudoku.shtml/ [中之条町観光協会] |
営業時間 | 10:00~20:00 [400円] |
駐車場 | あり | 定休日 | - |
主な泉質 | 含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉 | 温泉利用 | 源泉100%かけ流し |
浴場設備 | 内風呂 | 塩素消毒 | 塩素消毒なし |