温泉新選組 > 群馬の温泉 > 法師温泉 > 長寿館 > 温泉
浴場は法師乃湯・玉城乃湯・長寿乃湯がある。不規則ながら男女入替制になっているので、宿泊客はすべての風呂を楽しめる。おすすめは、やはり法師乃湯。幽玄の世界での湯浴みは情緒抜群。秘湯ファンならば一度は体験したい。
※ 下記 マークをクリックで、画像テキストを表示
法師乃湯は長寿館の代名詞的存在の大浴場。明治28年築の和洋折衷の鹿鳴館風の建物は。国登録有形文化財に指定。昔の湯治場の情景を彷彿とさせる浴場内の脱衣棚に、檜張りの床板。まるで明治の昔に迷い込んだかのような非日常空間が広がる。
湯船は4つ。それぞれに座石用の大きな石と小さな玉石が敷き詰められ、その玉石の下、岩盤直下2mから源泉がポコポコと湧き出す光景はこの「法師乃湯」ならでは。ゆらりゆらりと形を変える空気の玉。温泉が生まれる、まさにその瞬間なのである。
湧き出す源泉の湯温は43℃ほど。足元から湧き出す他に、湯口からも周囲から湧き出す源泉が注がれる。4つの湯船のうち、出入口から手前の2つはやや熱め(41℃程度)、奥の2つはぬるめ(38~39℃)。湯温は適温に保たれ、長湯でも体に負担をかけることはない。
その至極の温泉は生まれたてのためか、肌にピリピリと若干の刺激がある。また湯の香りはぬるめの方は水の生々しい匂いに対し、熱めの方は非常に微かながら鉱物臭のような匂いが感じられる。
夜間の湯浴みはまた格別の情緒。ほのかな幽玄の世界に浮かび上がる湯の世界。「ポコポコ」と足元から湧き出るお湯の音。湯口から注がれる「せせらぎ」のようなお湯の音。それらを感じながら静かに流れる時間を愉しむ。まさに至高の極み。
「この法師乃湯入らずして温泉を語るなかれ」
お金では買えない価値がここにある…こころからそう感じた。
(基本混浴だが、女性専用時間あり)
YouTube (再生時間 78秒)
※ 下記 マークをクリックで、画像テキストを表示
玉城乃湯は総檜造りの豪華な内風呂。まさに檜御殿風呂と形容できるほどの気品と雄大さを合わせ持つ。檜造りの湯船の底には小さな玉石を敷き詰め、無色透明な湯がなみなみと注がれている。
それにしても浴槽、床、天井と圧倒的な量の檜が使われていることに目を見張る。特に巨大な檜の梁は圧巻モノ。これ一本でいったいいくらするのだろうか…。おそらく、この浴場全体で数億、BIGが当たっても建てることは難しいだろう(苦笑)
また洗い場も湯治場風の趣。シャワーがないところに強いこだわりを感じるとともに、この「玉城乃湯」の雰囲気に華を添えている。そして素晴らしいのはなにも風呂場だけではない。檜の香りが脱衣所にも満ちあふれている。
利用時間は夜が男性、朝が女性というように入替制。それぞれに趣があるが、やはり幽玄の世界を愉しめる男性に軍配が上がりそうだ。
この「玉城乃湯」には、長寿の湯から引湯する「寿の湯源泉」と「官行の湯源泉」との2本の源泉が注がれている。
YouTube (再生時間 45秒)
※ 下記 マークをクリックで、画像テキストを表示
玉城乃湯の野天風呂は、巨石を積み上げた趣ある岩風呂。木々に囲まれ、近くには水車小屋もある光景は文字通り野天風呂にふさわしい。このような上品で清潔感のある野天風呂はなかなかお目にかかれない。宿の温泉に対する姿勢が垣間見える。
ちなみに注がれる温泉は長寿館唯一の単純温泉である官行の湯源泉。湧出温度が低いため、温泉は加温して利用されている。
長寿乃湯は檜の柱とヒバ張り造りの内風呂。源泉がポコポコと足元から湧き出し、温泉の鮮度は極めて良好。法師乃湯と比べ狭さは感じるが、逆にプライベート感があり湯量は豊富。かなりゆったり感が感じられ、素直にお湯の質を愉しめる。
湯船の温度は適温。足元以外にも2つある湯口からも源泉が注がれている。温泉は透明であるが、微かながら鉱物臭が感じられる。肌にもピリピリと若干の刺激があり、しっかりと「温泉だぞ」というアピール。
浴室壁に掲げられる長寿祝い一覧表がいかにも長寿乃湯らしさを演出。もともと女性用だったためか、浴室内や脱衣所に清潔感があり、優しいヒバの香りが何とも言えない癒やしを感じさる。(基本は女性用だが、男性利用時間あり)
YouTube (再生時間 41秒)