松本城は国の史跡および、天守が国宝に指定されている。安土桃山~江戸期に造営された城郭の中で、明治維新後の破却や、太平洋戦争での空襲を逃れ、奇跡的に天守が現存する12城のひとつ。
松本城の歴史は戦国時代まで遡る。かつて松本城は深志城と呼ばれ、同じ信濃の林城を拠点とする小笠原氏によって築城された。しかし小笠原氏から武田氏(信玄)に支配が移った後、林城の代わりに武田氏の重要な拠点になった。
武田氏滅亡後は石川氏、江戸幕府成立後は小笠原氏・松平氏・堀田氏・水野氏・松平(戸田)氏と藩主が変遷の後、明治維新を迎える。
明治維新では破却の危機を乗り越えたが、老朽化のため天守が大きく傾き、明治の大修理で傾きは修復。太平洋戦争での空襲も免れ、奇跡的に天守が現存する。
現在は天守は国宝に指定。鉄筋コンクリートで再建された天守とは一線を画し、安土桃山から江戸前期にかけて造営された本物の城郭の存在感はまさに圧巻モノ。日本人のみならず、外国人観光客も多いことも納得できる。
ちなみに、豊臣氏の影響が残る頃に造営された天守閣が黒基調(築城当時の大坂城も黒基調であった)であるのに対し、徳川政権が安定した頃に造営された姫路城や彦根城などの天守閣は白基調である。それらを見比べることも城めぐりの楽しみのひとつである。
(2017.7 更新)
住所 | 長野県松本市丸の内 | TEL | 0263-32-2902 [松本城管理事務所] |
URL | http://www.matsumoto-castle.jp/ [国宝 松本城] |
開館時間 | 8:30~17:00 [大人610円 小中学生300円] |
駐車場 | 市営松本城大手門駐車場 [30分 150円] | 定休日 | 年末年始(12月29日~1月3日) |