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(2014)
法師温泉長寿館は群馬・新潟の県境にある秘湯の一軒宿。静かな佇まいは時代を超越するノスタルジックな雰囲気を発散。温泉宿の原点を感じさせる関東随一の秘湯の宿である。
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玄関に入った瞬間から全身で感じる時代を超えた異空間。日本人が遙か昔に忘れてしまったもの、いや置き去りにしてしまった大切なもの、古き佳き日本が眼前にある。明治、大正、昭和、そして平成…時を重ねたものしか持ち得ないオーラが身体全体を優しく包んでくれる。
玄関のある本館は明治8年、法師川沿いに建つ別館は昭和15年、そして和洋折衷の鹿鳴館様式で建てられた大浴場「法師乃湯」は明治28年に建築され、国登録有形文化財に登録されている。細かな部分は状態に応じて修繕しているが、外観及び内部の柱・梁などが往時をしのばせる。
今回で長寿館には4回訪問したが、日帰り利用は初めての経験(いわゆるバージン…アホかっ)。前日に湯宿温泉の「ゆじゅく金田屋」に泊まり、この日もスノーボードを滑る予定でいたが、前日の疲労が抜けきっていない。どうするものかと迷っている時、電光石火のようにひらめいた。
「そういえば法師温泉近いな…」
そのひらめきひとつでココロが決まった。すでにウェアを着込んでいたが、そそくさと脱ぎ捨て、普段着に衣装替え。決めるまでは悩んたが、決めると早い。これもB型の特徴か?
長寿館の日帰り受付は10時30分から。待ちもせず、遅くもない20分ぐらい前に着くのがベスト。そう計算して宿をチェックアウト。国道は雪はほとんどないが、さすがに一本道の県道に入るとかなり雪がある。焦らず、滑らず、的確に(雪道を時間通りに進むのは結構難しいんだよねぇ)ハンドルを操り長寿館に向かった。
駐車場に着くと雪いっぱい。思ったよりも積もっている印象。さすが山奥の秘湯だけのことはある。建物前にあるバス停も半分雪に埋まっているじゃないか。
「こりゃたまらんな~」
除雪がされているとはいえ、建物は雪に覆われている。それにしても垂れ下がる氷柱(つらら)が凄い。雪化粧の法師温泉は初めてなだけにちょっと新鮮。
帳場の前で並んでみると受付の順番は三番目。いい読みだったが、このまま待て状態。長寿館は立ち寄り入浴でも時間に厳格。きっちり10時30分になるまで、入浴料金の支払いもできない。まぁ宿泊客優先だから、こりゃ~しょうがない。
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受付を済ませ大急ぎで浴場にプチダッシュ。勝手知ったる何とやら…この宿の構造は熟知している。一直線に法師乃湯に向かい、脱衣所に入ると神速でハダカになる。扉を開ければ、究極の足元湧出温泉が待っている。
「いや~すんばらすぃ!」
この時間に入る温泉というのは、真っ昼間からビールを飲む感覚に似ている。やってはいけないことをやっている感じ…ちょっとした背徳感がココロを揺さぶるという感じなのだろうか(苦笑)
時折、小石の間から「プクッポコポコ~」と小さな気泡が湧き出す。この瞬間こそ温泉が生まれる瞬間。その温泉に満たされる湯船に入っている。こんな贅沢なことはない。
まさに恍惚。湯船の温度は40~41℃ほどだろうか。熱すぎもせず、ぬるすぎもせず、適温そのもの。足元湧出だけに人為的な温度調整も不可能。こんな状態で湧き出す温泉なんて奇跡に近い。
でも、川のそばだけに、雪解け水や梅雨などで増水する時期は温泉はぬるくなるのだろうか? そういえば初めて利用した時(2005年7月)、もうちょっとぬるく感じたなぁ。まぁそれはいつか解決すればいい宿題としとこう。
時計を見ると、いつのまにやら12時過ぎ。長湯をすると腹も減ってくる。名残惜しいが、また来ればええんや…と自分にいい聞かせあがることにした。雪山シーズンは残り一ヶ月ちょい。シーズン最後までに絶対利用しよう!
(2015.8 更新)
住所 | 群馬県利根郡みなかみ町永井650 | TEL | 0278-66-0005 |
URL | http://www.hoshi-onsen.com/ | IN:OUT | 15:00 : 10:30 |
宿泊料金 | 14,850円~ [2名利用 1泊2食付] | 立寄入浴 | 10:30~13:30 [1,000円] |
客室数 | 和室 37 | 食事場所 | 食事処・部屋出し・広間(4名以上) |
駐車場 | あり | 送迎 | - |
主な泉質 | カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉 | 温泉利用 | 源泉100%かけ流し(法師乃湯・長寿乃湯) かけ流し循環併用(玉城乃湯) |
浴場設備 | 大浴場・内風呂・露天風呂 | 塩素消毒 | 塩素消毒なし |