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堂ヶ島ニュー銀水は西伊豆堂ヶ島温泉にある和と洋が融合したリゾートホテル。東伊豆にある「稲取銀水荘」の姉妹店。稲取同様に新鮮な魚介類を中心とした料理の質は高く、稲取銀水荘の「おもてなし」とは異なる「ホスピタリティー」が特徴である。
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堂ヶ島ニュー銀水には、一度夏に宿泊したことがある。夏の堂ヶ島はとても美しい。それそれで感動モノだったが、残念ながらホテルからは角度の関係で夕陽を望むことができなかった。
それが10月~3月の間になると、その感動的な夕陽がホテル正面から見えるとのことで、期待を胸に宿へと向かっていた。
到着すると、洗練された外観に目を見張る。さすが「銀水」の名前を冠していることはある。正面からみるとそんなに高い建物には見えないが、国立公園内にあるために景観を壊さない必要がある。そのため建物は雛段式で、玄関のあるフロントロビーは7階になる。
エントランスを入ると、シティホテルのロビーのように洗練されたスタイリッシュな雰囲気が伝わってくる。ロビーを見渡すと日の入り時間の表示がある。フムフム、この時間は要チェック。
チェックインが終わり、堂ヶ島の絶景を一望するラウンジでウエルカムドリンクのおもてなし。ホットコーヒーをオーダーし、寒さなど忘れ気分も上々。まるでリゾートにいる気分に包まれる。
クルー(ニュー銀水では客室係をクルーと呼ぶらしい)に部屋まで案内をしてもらうが、中央にあるシースルーエレベーターにかなり驚かされる。(2度目であるが…)何が驚くのかというと、上から下まで吹き抜けなのである。これは相当な建築費用がかかっただろう…と考える間もなく部屋のあるフロアに着く。
見ると部屋は6階。ん、1階下がっただけなのね…。通常の宿ではフロントよりも上層階に部屋があるものだが、ニュー銀水は少し違っている。建物は南棟と西棟があり、西棟は10階まで客室があるが、部屋グレードの高い南棟は6階が客室の最上階になっている。
部屋に案内されて窓を見ると、以前見た期待通りの光景が広がっている。目の前に広がる空、どこまでも続く水平線。そして眼下に見下ろす島々の絶景。ロビーで見た風景と変わりない。確かにここまで建物そのものの高さがあるので、見る角度はそう変わらない。
クルーから館内施設の説明や夕食の時間の確認が終わると、椅子に座りしばらく堂ヶ島の景色を眺めて時間を過ごすことにした。テレビや雑誌などは、同じものを見るとすぐに飽きるものだが、自然というのは何回見ても飽きない。「この景色を見るだけでもここにいる価値がある」と心から感じた。
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景色を存分に楽しんだ後は、やっぱり風呂。早速準備にとりかかり浴衣に着替える。ニュー銀水も銀水荘と同じく2階に風呂がある。大浴場に行くと、さすが大浴場というだけあって脱衣所も広い。
スリッパを脱ぐと、すぐそばにスリッパシートがあった。小さなことかもしれないが、この心配りには関心する。ここまでやっている宿はそうあるものではない。早速自分の名前を書いてスリッパに置いた。
温泉分析書があったので、早速チェック。かけ流し循環併用であるが、衛生管理のために塩素を投入しているとのこと。塩素の使用は少々残念だが、きちんと情報公開している姿勢には好感が持てる。
大浴場も一面ガラス張り。遠くの景色まで良く見える。風呂に入りながらも絶景三昧。このホテルでは当たり前に感じるが、日常生活では決して見れない光景である。そう考えたら本当にこれは特典だと思う。
湯の温度はちょうどよい適温に保たれ、気になる温泉の臭いもほぼ無臭。塩素の臭いは感じられない。塩素臭を感じないところからみても、使用量は必要最小限に抑えているようだ。このことは温泉好きにとっては素直に嬉しい。
そして露天風呂に移動すると、大浴場よりも絶景が近くに感じる。裸で海をのぞく。ひとつ言葉を間違ったら即御用になるような表現だが、これだから海の温泉は堪らない。東伊豆の海もいいけど西伊豆の海もいい。海バンザイの心境だ。
廊下にでると休憩所で味噌汁サービスをやっている。風呂でたっぷりと汗をかいた後でいただく味噌汁がこれまた美味。夕暮れの時間が近づいてきたので部屋に戻る。
ロビーラウンジではワインサービスもやっているのだが、今回は静かに部屋で夕陽を楽しむことにした。この日の天気は少し曇がかかり、空が夕焼けに染まるまでは何とか夕陽が見えていたが、最後の方は残念ながら雲に隠れてしまった。
後日、別件で訪問する機会があり、ロビーラウンジでサンセットの瞬間に立ち会った。車での日帰りだったためワインは飲めなかったのが残念だったが…。それはさておき、言葉では表現できないほど感動したことは確かである。
夕食まではちょっと時間があるので、ぶらり館内を散策。館内は限られた空間であることは確かだが、奥行きがありとにかく広く感じる。特にロビー階はラウンジが全面ガラス張り。解放感を顕著に感じる。各階はシースルーエレベーターで繋がり、建物は吹き抜け構造である。
とにかく空気が多いというか、空間そのものも広い。部屋は和室なので「温泉宿」のカテゴリーに入るが、設備はリゾートホテル。「和魂洋才」の日本人そのものと表現できそうだ(苦笑)
地階は「イズ・パラッツォ」と呼ばれるアミューズメントスペース。カフェテラスや食処にカラオケ、さらにショーもできるステージ付きのクラブまでもあり、室内プールまでも備えている。正直「維持費が大変だろうな…」とは感じるが、スケールの大きさには舌を巻く。
温泉街があれば、このような立派な館内施設は必要ないだろうが、近くには遊興施設がない。たまには温泉宿でしかできない湯上りの「浴衣遊び」を楽しむのもよいいかもしれない。
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そして18時、クルーが部屋に食事を運んでくる。基本はダイニングでの夕食なのだが、今回は部屋食プラン。楽しみにしていた夕食の準備が整い、献立の説明をしてくれる。目の前には所狭しと色鮮やかな料理が並び、ひと際金目鯛と鮑のしゃぶしゃぶが目に入る。
酒を楽しみながら食べる会席料理だけに、ビールとの相性も抜群。前日は稲取で、この日は堂ヶ島。東と西で伊豆を堪能する。連日の海の幸づくしで幸せのボルテージは一気にレッドゾーンへ突入!
夕食後にも温泉に入り、真っ暗な海を見つめ物思いにふける。少し格好つけすぎだが、これも温泉の特権。そして朝、朝モヤの残る中で朝風呂に入る。ヒンヤリとした潮風が本当に心地よい。
朝食は展望ダイニングでの和洋バイキングが待っている。会場に入ると香ばしいパンの匂いが食欲をそそり、品数も豊富でどれを食べるか迷ってしまう。昨日が和風だから今日は洋風ということで、パンやベーコンなどの洋メニューを盛り付けることにした。
バイキングの悪いところは食べ過ぎることである。食べ放題となると人間の本性が出るようで、好きなものを目一杯食べようとする。この後和食メニューにも手を出し、パンと御飯の共演、炭水化物祭りへと発展。かなりの量を胃袋に詰め込んだ。
チェックアウトをして、車を回してもらう。すると車の窓まで拭いてくれるサービスぶり。まさに銀水式おもてなしの真骨頂である。稲取と同じく車のバックミラー越しに見えるお見送りも凄い。手を振り終えるときちんと全員がお辞儀をしているのが見える。
稲取・堂ヶ島ともに、対応は自然体で、恩着せがましい感じがない。これが銀水伝統のおもてなしなのだと感心するほかない。いい宿はいつも自然体なのだ。
(2015.5 更新)
住所 | 静岡県賀茂郡西伊豆町仁科2977-1 | TEL | 0558-52-2211 |
URL | http://www.dougashima-newginsui.jp/ | IN:OUT | 14:00 : 10:00 |
宿泊料金 | 15,800円~ [2名利用 1泊2食付] | 立寄入浴 | 不可 |
客室数 | 和室118 洋室2 和洋室2 特別室1 | 食事場所 | 部屋出し・展望ダイニング・食事処 |
駐車場 | あり | 送迎 | 堂ヶ島まで送迎あり |
主な泉質 | カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉 | 温泉利用 | かけ流し循環併用 |
浴場設備 | 大浴場・露天風呂・サウナ | 塩素消毒 | 塩素消毒あり(塩素臭は感じない) |