温泉新選組 > 新潟の温泉 > 苗場温泉 > ファミールしらかば
苗場にある食事処のある民宿、いわば和風オーベルジュ(宿泊できる食事処)ともいえる宿。築地で腕を磨いた和食職人が握る絶品寿司を存分に堪能できる「江戸前寿司腹いっぱいプラン」は要チェック。
苗場・かぐらスキー場に近く、スキー宿にも最適で料金もリーズナブル。すぐ隣には日帰り温泉(雪ささの湯)があり、スポーツの疲れもゆっくり癒せる。
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暖冬で雪がない…今シーズンは雪不足のスキー場が多いけれど、湯沢なら大丈夫(だろう)と、初ゲレンデは「かぐら」を選択。さすが豪雪地帯。例年の半分ほどだが、それでもゲレンデには150㎝も雪があり、全面滑走が可能。
シーズン始め、まだ下半身ができていないのに、朝の9時から15時までぶっ通しのフルスロットル。休憩はトイレとリフトのみ、食事はアミノタブレットと飴ちゃんという、まさにサバイバル。
でも、昼抜きをしたのにはワケがある。今晩の宿「ファミールしらかば」の夕食はお寿司なのである。そう、腹いっぱい寿司を頬ばるために、胃袋を追い込む必要があるのだ!
そんな威勢のいいこと書いてるが、田代エリアから、みつまたエリアに戻ってきた時には空腹と太ももパンパンで疲労困憊。ロープウェーではなく下山コースで山を下ったら完全放電。も~あきまへんわ!
唯一の救いは、みつまたステーションから苗場までは車で15分ほどと比較的近いこと。ブーツとボードを車に積み込み、ほなでっぱつ。
田代ステーションの手前、貝掛温泉に差しかかるが今回は通過。いや~行きたいけど…また今度、今回はお寿司じゃい!(この瞬間、食欲が温泉を上回った!)
ほどなくして苗場に到着するが、街中にあまり雪はない。これならば見つけやすい。目印の「雪ささの湯」の黄色い看板を探して進むと、あった、あったずらよ! 見覚えのある白い食事処に到着した。
手前の駐車場に車を駐め、食事処の入口の左にある宿の玄関から中に入るが、誰もいない。ブザーを鳴らすと「は~い」と上の階から声が聞こえる。
「いらっしゃいませ」と、見覚えのあるご主人が出迎えてくれるが、どうやらボクのことは覚えてない様子。ま~それはしょうがない、二年前に一泊しただけだもの(苦笑)
チェックインしたのは16時30分。夕食は18時からだからちょっと時間がある。これならゆっくり温泉に入れそうだ。ルームキーを受け取り、客室のある三階までは階段だが、これはこれで下半身の鍛錬になる。(かなり好意的な解釈だが…)
三階には客室が4部屋あるが、この日の宿泊客はボクひとりだけの模様。シ~ンと静まり返った廊下が少し物悲しく感じられるが、これも平日の宿泊施設ならではの光景。まぁ、ある意味、贅沢な光景ともいえるだろう。
今回の部屋は6帖の和室。カーペットが敷かれ、暖房もキチンと効いているので、室内はかなり暖かい。これならばウェアも部屋干しでも充分乾きそう。一式をハンガーにかけ、タオル・洗顔フォーム・ひげ剃り、そしてシャツとパン2を持って温泉にGo!
隣にある「雪ささの湯」までは徒歩30秒。ほとんど別館のような感じ。入浴料金は900円だが、宿で200円の割引券(ウェブサイトにも200円割引画面あり)をもらっているので、実質負担は700円。贅沢をいえば、これで出入り自由なら最高だけど、それは無理な相談というもの。
日曜日の夕方とはいえ、若者を中心にかなり混雑している。苗場の宿泊客かと思ったが、聞こえてくる会話から、ひとっ風呂浴びた後に、食事をして東京方面に帰る元気なヤングマン(羨ましい響き!)らしい。
むむ、この温泉を選ぶとは、なかなか目が高い。若いウチからいい温泉に入ってくれ! 盛り上がるグループを横目にココロの中でそう叫んだ(笑)
ギリギリまで温泉に浸かっていたら、長湯のせいでちょっとのぼせ気味。これから寿司なのに…しくった…かと思ったが、カウンターに座ると何のその! 俺の胃袋グッドジョブ!
まずは生ビールをぐびっとひとくち。いや~美味いんだなこりゃ! 砂漠のオアシスのようにのどを潤してくれた生ビールはサービスビール。そう小ジョッキが1杯サービスなのだ。
そして二年ぶりのお寿司パラダイスはマグロ(赤身)・中トロから始まる。う~ん美味い。シャリが程よく口の中でほぐれていく食感がこれまた絶妙。南魚沼産コシヒカリもさることながら、この握り加減が、回る寿司とは明らかに一線を画す職人の成せる技。
続いて真鯛・メバルの白身、コハダ・アジ・シメサバの光り物、エビ(蒸し)・甘エビ・水ダコ・イカ・ホタテ・赤貝・アナゴ、さらにイクラ・ウニ、茶碗蒸しとエビの味噌汁をはさんで、タラコ・鉄火・玉子で、まずは一通り終了。
歯ごたえのある広島瀬戸内産の真鯛に、もっちりとした旬メバル。爽やかなコハダの酸味に、温かなアナゴの甘み。大好きなイカ・ウニ・赤貝は甘く、イクラもぷりぷり。海苔の風味が堪らない鉄火に、玉子のダシの美味さ。満足を通り越したこの喜びはどう表現したらいいだろうか。大将の腕は「さすが」のひとこと!
この日は貸切状態だけあって、今回もご主人といろいろな話をしたが、以前、食品関係の会社にいた(オイラね)だけに、職人さんの話はとても面白い。魚の旬とか、仕入れ、仕込みの話などに興味津々。
寿司ネタは天然物(ホタテなどは冷凍)を使用しているとのことで、特に真鯛では天然物と養殖物では食感と香りに歴然とした差が出ることや、サーモン好きの子供がこの店にくると、サーモンを食べずにマグロ好きになる(マグロも天然物)ことなど、本物の食材が持つ「味」のチカラを教えてくれた。
一通りコースは終了したが、ここからが本番、いやボーナス。フリーオーダーこそ「腹いっぱいコース」の真骨頂。真鯛・イカ・赤貝・コハダ・鉄火を追加で大満足。最後は抹茶アイスを平らげ、コース終了。「あれ? もういいんですか?」と聞かれたが、もう腹いっぱい。ためだぁ~30貫はムリっす…
腹いっぱいで撃沈した後は、部屋に戻ってテレビを見ながら念入りにストレッチ。今日ちょっとムリしたからなぁ…ちゃんとケアしないとリカバーが追いつかない。年はとりたくないのう~
風が強いな…テレビでは翌日の大雪注意を呼びかけているが、詳しい外の様子はちょっとわからない。車は四駆のスタッドレスだし、心配することもなかろう。
次の朝、7時前まで爆睡。目を覚ますために朝風呂に行くと、あれっ? 風呂場が広くなっている。そういえば、前回利用した時に今度風呂場をリニューアルすると言ってたっけ。温泉ではないけど、いい風呂だ。
おまちかねの朝食は、一品一品丁寧に盛り付けられた「職人が作る朝ごはん」。オムレツは優しく、香ばしいシャケと手作りシュウマイが、柔らかめの南魚沼産コシヒカリとの相性もばっちり。都合三杯も食べてしまった(苦笑)
ふと外を見ると風が強く、かなり吹雪いている。苗場に行こうかと思っていたが、こりゃ~ゴンドラダメかも…
「ムリはしない方がいいですよ。こんなときに遭難することが多いんですから」と、ご主人もこのコンディションではおすすめしない。
ん~ん~ん~…よし、やめ!
命あっての物種だ。スノーボードは撤収するけど、温泉入りながらゆっくり帰ろう。この「ゆっくり」というのが凶と出ることを、この時は知る由もなかったが、とりあえず撤収準備。ウェアなど一式をしまい込んでチェックアウト。
帰り道、苗場スキー場を見たら吹雪で真っ白。完全なホワイトアウト状態になっている。さらに、かぐらスキー場の駐車場には車は駐まっているが、ゴンドラをみると途中で停止ようだ。うわ~乗っている人に同情します…
湯沢の街中になると、雪は霙まじりで全体的にガスっている。今日は止めてよかった…さて温泉に入るか…と「山の湯」に向かい、道の駅「雪あかり」でお買い物。
昼過ぎにようやく関越道にのるが、沼田(のちに月夜野)~渋川伊香保が事故で通行止めとのこと。まじっすか~でも平日だからそんなに混まないっしょ! 沼田から下道になるから、その前の水上で降りて、もう一軒温泉行くか…しかし、この甘さが命とりになる。
そんな状態になることを夢にも思わず、谷川岳PAでかき揚げそばを食べたあと、上牧温泉「大峰館」で至極の温泉タイム。いや~素晴らしい。詳細は割愛するが、じつに隠れた名湯とはこのこと。次は泊まって温泉を満喫したいものだ!
とりあえず渋川伊香保まで…この時、時刻は14時頃。大峰館のすぐ近くを通る国道291号に出たら、いきなりトラックが立ち往生。いきなりですか…いや~な空気を感じるが、県道に迂回。
上毛高原駅から国道291号に戻り、国道17号に合流。ここまでは順調だったが、月夜野インターを過ぎ、沼田市内に入るころから暗雲が立ちこめる。
沼田インターを過ぎると平均時速五キロ未満と、ほとんど徒歩と変わらない。ここにきて国道17号が大渋滞。途中70分もの間、アイドリングしっぱなしで1mmも進まない。
どうにか情報を得ようと、ツイッターをみると、高速の通行止めは事故により豚が脱走、17号はタンクローリー横転が原因との情報を得るも焼け石に水。正確な情報がまったく入らない。ど~なってんだ行政(怒)
その後、イチかバチか県道255号に迂回。ボトルネックの場所を回避し、17号に復帰すると、ほとんど車が走っておらず、渋川伊香保から高速にのることができた。迂回できた区間はまさにボトルネック。そこだけのために大渋滞だったワケなのである。
結局、上牧温泉から東京まで、なんと8時間30分。「ゆっくり」どころのことじゃ済まなかったが、無事帰り着いくことが大事。今回の教訓として、次に滑るまでに17号以外の関越迂回路を探さなきゃいけませんな。
ん? 帰路のくだり、ファミールしらかばと関係ね~じゃん!
(2016.1 更新)
住所 | 新潟県南魚沼郡湯沢町三国370 | TEL | 025-789-2108 |
URL | http://www7.ocn.ne.jp/~naeba/sirakaba/ | IN:OUT | 14:00 : 10:00 |
宿泊料金 | 4,000~8,964円(消費税別) | 立寄入浴 | |
客室数 | 和室 4 | 食事場所 | 旨味処しらかば |
駐車場 | あり | 送迎 | |
主な泉質 | 温泉なし | 温泉利用 | |
浴場設備 | 内風呂(沸かし湯) | 塩素消毒 |