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(2013)
食事は朝夕ともに個室食事処「野草庵」、または食堂「山蕗」でいただく。夕食は地元の食材をふんだんに盛り込んだ山家料理(郷土会席料理)、朝食はほのぼのとした和朝食。一品一品、季節感をいっぱいに感じられる献立が嬉しい。
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夕食の素材に関しては、宿の立地を彷彿とさせる山の幸が「これでもかっ」と並べられていた。地元で採れた野菜・山菜・きのこや新潟牛、そして食事の途中に運ばれてきた岩魚など、郷土色豊かな山家料理(田舎会席料理)である。
「本当に11,000円そこそこの宿のメシなの?」と驚くほど料理が充実している。品数は多く、食材のバランスの良さも一目瞭然。山の幸だけに見た目の豪華さではなく、中味の豪華さがに目を奪われる。一品一品吟味するうちにその思いは確信に変わっていく。
美味い料理には美味い日本酒は欠かせない。基本、酒は弱いので普段は呑まないが旅先では別。新潟とくりゃ「八海山」これでしょう。冷やで一杯だけいただく。これをちびちびしながら料理をつまむとするか。
まずは前菜のワラビにうるい、そしてふきのとうの天麩羅をひとくち。「いや~春だねぇ」素朴ながらもしっかりと季節を主張する山菜の風味。無類の山菜好きとしてはこの瞬間こそ至極の時間。
幸福感に浸りつつ、造りに手を伸ばす。こんにゃく・まいたけ・ニジマス、素材は海の物ではなく山の物。このチョイスもまたいい。山の宿の造りはこうでなくちゃいけない。
すると岩魚の炭火焼きが運ばれてくる。聞けば90分もかけて炭火で焼き上げているとのこと。岩魚は見た目からもかなりの時間遠火で焼いていることがわかるほど、こんがりと焼き上がり、皮はパリパリ。口に入れた瞬間広がる香ばしさ。しかも骨までパリパリで頭から丸ごといける。「これは美味い!」、お世辞抜きで今まで食べた岩魚焼きの中で一番美味い。
「新潟牛の炭火焼き」も運ばれてきた。そうか、まだこれがあった。量は多くないけど、肉全体が炭火で引き締まり、ブラックペッパーが振りかけられている。さてさて味の方は…これまた美味い。黒胡椒グッドジョブ!
やがて鍋がイイ感じで煮えてきた。いよいよ料理の本丸、「特製鴨鍋」へ突入だ。言わずもがな鴨とネギと相性は抜群。その絶妙コンビの中になんとニンジンが入ってくる。
自分が知っているニンジンよりもそれは赤くて甘い。「もしかしてこれが雪下ニンジン?」。こんなに甘いとは。ニンジンを雪の下で保存することで糖度を上げる。雪国の知恵は素晴らしい。
最後は締めの魚沼産コシヒカリを香の物と味噌汁でいただく。御飯と味噌汁ともに二杯平らげる。こころの中に湧き上がる幸福感と安心感。本当に米と味噌はソウルフードなんだな…と日本人であることを再認識した。
最初の一品から締めの一品までストーリーがあり、季節で採れる地元の物、まさに大地の恵みを余すととこなく感じられる。料理は目と鼻と舌、そしてこころで味わうもの。素材を活かす心遣いと温もりを感じられる料理の評価はすこぶる高い。
※下記の料理は秘湯コースであるが、他に名湯コース(スタンダード/天麩羅と牛炭火焼きなし)と湯治向け一汁三菜コースがある。
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朝食は地元の食材をふんだんに盛り込んだ、ほのぼのとする献立が並ぶ。しかもサラダ・ラジウム納豆・温泉玉子・ヨーグルトなどは取り放題。「こりゃたまらん!」とばかり、あまりの美味さに箸が止まらない。
まずはサラダを大盛り二杯平らげ、切り干し大根と小松菜とベーコンの和え物をつまむ。そして後から運ばれてきた銀鱈の西京漬け焼きをいただく。この鱈がまた美味い。いや~これぞ日本の朝食ですな~
主菜・副菜の後は主食で腹固め。まずは名物のラジウム納豆をいただこう。容器を開けてみると驚いた。明らかに普通の納豆に比べて粒が大きい。さすが国産の新潟県産大豆だけのことはある。魚沼産コシヒカリとの相性も抜群。しっかりと二膳いただいたばかりか、温泉玉子も禁断の二個食べ。うお~コレステロール万歳!
美味いのは料理だけではない。おかわり自由の豆乳の味に驚くばかり。とにかく豆の味が濃い。まるで大豆をそのまま飲んでいるかのような風味が鼻から抜けていく。最後のトリは何年か前に流行った自家製カスピ海ヨーグルト。苺ジャムをかけてヌルヌルといただいた。
そして満腹状態で食堂を後にして、ロビーでコーヒーブレイク。これからスノーボードだというのにこんなに食べて大丈夫かいね? 我ながら心配するほど、むさぼるように胃の腑に詰め込んだ。